船外機の保護装置
油圧警告装置とオーバーヒート警告装置
エンジンオイルの油圧が低下したり、エンジンがオーバーヒートすると警告装置が作動し、表示灯やブザーで知らせます。また油圧異常とオーバーヒート時には、エンジン回転が徐々に低下して不安定になり、エンジンの回転を上げることができなくなります。さらに、オーバーヒート時には約20 秒でエンジンが停止します。異常な状態が解消されると徐々にエンジン回転が上がるようになります。
オーバーヒート警告表示灯(赤色) 油圧警告表示灯(赤色) |
ACG 警告装置とPGM-FI 警告装置
AC ジェネレーター(交流発電機)やPGM-FI(電子制御燃料噴射装置)に異常があると警告装置が作動し、表示灯やブザーで知らせます。
PGM-FI 警告表示灯(赤色) ACG警告表示灯(赤色) |
ウォーターセパレーター 一体型燃料フィルター警告装置
エンジンカバー内にあるウォーターセパレーター 一体型燃料フィルター警告装置のカップの中に水がたまると警告装置が作動します。
警告装置、ブザーの作動一覧
各警告表示灯とブザーの作動は下記のようになっています。
装置 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
現象 |
油圧警告 |
オーバーヒート警告表示灯 |
ACG警告 |
PGM-FI 警告 |
ワーニング |
パワーリダクション※2 |
通常運転時 |
消灯 |
消灯 |
消灯 |
消灯 |
― |
― |
ブザー警告音なし | ||||||
オイル油圧低下 |
点灯 |
消灯 |
消灯 |
消灯 |
|
作動 |
ブザー警告音あり(連続音) | ||||||
オーバーヒート |
消灯 |
点灯 |
消灯 |
消灯 |
|
作動 |
ブザー警告音あり(連続音) | ||||||
ACG異常 |
消灯 |
消灯 |
点灯 |
消灯 |
|
― |
ブザー警告音あり(断続長音) | ||||||
PGM-FI異常 |
消灯 |
消灯 |
消灯 |
点灯 |
|
― |
ブザー警告音あり(断続長音)※3 | ||||||
ウォーターセパレーター 一体型燃料フィルター |
消灯 |
消灯 |
消灯 |
消灯 |
|
― |
ブザー警告音あり(断続短音) |
重複して異常が発生した場合、各警告装置とブザーは同時に作動します。
油圧警告表示灯が点灯したときは
オーバーヒート警告表示灯が点灯したときは
吸水口 |
ACG 警告表示灯が点灯したときは
バッテリーの接続を点検し、異常がなければ、お買いあげ販売店またはサービス指定店にご相談ください。
PGM-FI 警告表示灯が点灯したときは
PGM-FI 警告表示灯が点灯してブザーが鳴り止まない場合は、シフト操作不可()、アラート検出不可、始動不可につながる恐れがありますのですぐに低速で帰港し、お買いあげ販売店またはサービス指定店に整備を依頼してください。
PGM-FI 警告表示灯が点灯してブザーが10秒間だけ鳴った場合は、エンジン回転数制御、機能制限がかかりますのでなるべく早く低速で帰港し、お買いあげ販売店またはサービス指定店にご相談ください。
ウォーターセパレーター 一体型燃料フィルター警告ブザーが鳴ったときは
過回転防止装置(オーバーレブリミッター)
航走中、エンジン回転が異常に上がりすぎた場合(急旋回した時や、トリム角/チルト角が不適切でプロペラが空転したときなど)に、過回転防止装置が作動します。この装置が作動するとエンジンの回転が不安定になり、防止装置設定回転数より回転が上がらなくなります。
過回転防止装置が作動したときは
異常がある場合は正しく整備してください。
多基掛けについて
多基掛けの場合、通常は全基を一緒に使って航走してください。
(2 基掛けの場合、通常は2 基を一緒に使って航走してください。)
一部の船外機のみで航走の場合、使用しない船外機(停止機)は次のようにしてください。
取扱いのポイント |
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「排気側から水の逆流」は故障の原因となります。 |
パワーリダクション機能
パワーリダクション機能とは、エンジンを保護するためにエンジン回転数を制限する機能です。航走中、船外機に問題が発生した場合(オイル油圧の低下やオーバーヒートなど)に作動します。
2つのリモートコントロールセンサーのうち一つに異常が発生した場合は、パワーリダクション機能によるエンジン回転数の制限は行われません。
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バッテリースイッチOFF 通知機能
バッテリースイッチの入れ忘れおよびエンジンスイッチ/パワースイッチの切り忘れを通知する機能です。以下の場合にバッテリースイッチがOFFになっていると、ブザーが短く3回鳴ります。