HSS960I・HSS1370I

各部の取扱い

エンジンスイッチ

エンジンを始動、運転、停止するときに操作します。

停止…

エンジンを停止する位置です。
(エンジンスイッチキーの抜き取り、差しこみができます。)

運転…

エンジン運転中の位置です。各電気系統がつながります。
(“ 停止” からこの位置にしたとき、カチカチと音が鳴ります。)

始動…

エンジンを始動させる位置です。スターターモーターが回ります。エンジンスイッチキーから手を放すと自動的に“運転”の位置に戻ります。

エンジンスイッチ

エンジンスイッチキー


制御警告灯(赤)

除雪機の故障を制御警告灯の点灯により知らせます。

制御警告灯(赤)は、エンジンスイッチを“ 運転” にすると数秒間点灯し、消えるのが正常です。点灯しない場合はお買いあげ販売店またはサービス指定店で点検を受けてください。


万一、運転中に点灯した場合は、安全な場所に移動してエンジンを停止し、お買いあげ販売店またはサービス指定店で点検を受けてください。

制御警告灯(赤)

制御表示灯(橙)

除雪機の故障や状態を制御表示灯(橙)の点灯と点滅により知らせます。

制御表示灯(橙)


《制御表示灯の点灯》

制御表示灯(橙)は、エンジンスイッチを“ 運転” にすると点灯し、エンジン始動後に消灯すれば正常です。点灯しない場合はお買いあげ販売店またはサービス指定店で点検を受けてください。


運転中にエンジンが停止した場合も点灯します。再度エンジンを始動し、制御表示灯(橙)が消灯することを確認してください。



《制御表示灯の点滅》

雪質など雪の状態によってはモーター保護機能が働き、制御表示灯(橙)が3回点滅します。(頁参照)


運転中に点灯または点滅した場合は、安全な場所に移動してエンジンを停止し、故障診断表(頁参照)の説明を参考に対処してください。


除雪クラッチボタンまたは走行クラッチレバーを操作した状態でエンジンスイッチを“ 運転” にすると制御表示灯(橙)が点滅します。除雪クラッチボタンまたは走行クラッチレバーの操作をやめると制御表示灯(橙)が点灯し、正常な状態になります。

燃料コックレバー

燃料タンクからキャブレターまでの燃料通路を開閉するときに操作します。
操作は確実に“ 止”“ 出” の位置に合わせます。

燃料コックレバー


警告

本機を運搬するときや、保管および点検整備時に本機が傾く可能性のある場合には、燃料漏れを防ぐためにレバーを“ 止” の位置に合わせてください。こぼれた燃料が引火することがあります。


マニュアルスタートレバー(HSS1370i)

本機はオートチョークですが、氷等の付着によりオートチョークが働かなくなり、エンジンが始動しない場合に操作します。(頁参照)通常の始動時は、操作しません。

マニュアルスタートレバー

押す

チョークノブ(HSS960i)

エンジンが冷えているときに操作します。

  • エンジン始動時、エンジンが冷えているときは、“始動”の方へいっぱいに引っ張ってください。
  • エンジン始動時、エンジンが暖まっているときは、“運転”の位置にしてください。
  • チョークノブ

    運転

    始動

    エンジン回転調節レバー

    [HSS1370i]

    エンジン回転調節レバーは、エンジン回転/投雪距離を調節するときに操作します。作業環境に応じ調節し設定してください。

  • 設定に迷う場合、3 番目「標準」の位置にし、除雪作業を行いながら適切な投雪距離に調節することを推奨します。
  • エンジン回転調節レバー

    エンジン回転数

    投雪距離

    除雪量*

    高速側

    4番目

    速い

    長い

    少ない

    3番目「標準」

    2番目

    多い

    低速側

    1番目

    遅い

    短い

    少ない

    *除雪量は「エンジン回転」でなく「エンジントルク(エンジンの力強さ)」によります。「エンジントルク」は「エンジン回転」と異なり「2 番目」が最大です。


    高速側

    低速側

    4番目

    3番目「標準」

    2番目

    1番目

    エンジン回転調節レバー

    [HSS960i]

    エンジン回転を調節するときに操作します。状況に応じて回転数を調節してください。

    低速側

    高速側

    除雪負荷と投雪距離について:

    設定されたエンジン回転は、除雪負荷が増大すると遅くなります。投雪距離を一定に保つためには、「走行速度の減速」など作業方法を変更し、除雪負荷を低減してください。(頁参照)

    除雪負荷

    エンジン回転/投雪距離を一定に保つ方法

    重さ

    走行速度

    除雪幅

    多い

    少ない

    重い

    軽い

    増大

    減少

    減速する

    狭くする

    走行速度

    除雪負荷が増大

    投雪距離を保つため

    走行速度を減速する

    または、他の手法で除雪負荷を低減する

    前後進速度調節レバー

    本機を前進、後進するときに操作します。

    低速域、高速域に区切ってあり、前進、後進の前後進速度調節レバーの位置により前進、後進の速度を無段階に調節することができます。

    前進するときは

    ・・・・・

    “N”(中立)の位置から前方へ徐々に動かします。

    後進するときは

    ・・・・・

    “N”(中立)の位置から後方へ徐々に動かします。

    本機を使用しないときは“N”(中立)の位置にしてください。

  • 雪質に合わせて低速域内で前後進速度調節レバーの位置を選び、速度を設定し、除雪作業をします。
  • 移動時は路面や周囲の状況に合わせて速度を設定してください。
  • 低速域

    後進

    “N”(中立)

    前進

    高速域

    高速域

    “N”
    (中立)

    高速域

    高速域

    低速域

    低速域

    高速

    低速

    高速

    低速

    前後進速度調節レバー

    本機は後進時の最高速度を制限することができます。必要な場合はお買いあげ販売店またはサービス指定店にご連絡ください。

    iコントロール(自動負荷制御)ボタン

    除雪作業時の本機の前進速度などを自動調節にするときに操作します。

    iコントロールボタンを押し、表示灯(緑)が点灯すると、iコントロールが「入」(作動状態)になります。

    再度ボタンを押して表示灯(緑)が消灯すると、iコントロールが「切」(解除)になります。

    iコントロールボタン

    iコントロールボタン(表示灯内蔵)

    「切」…消灯

    「入」…点灯


    iコントロールの制御内容

    [HSS1370i]

  • 除雪作業の負荷に応じてエンジン回転数が一定になるように、前進速度が自動的に調節されます。エンジン回転数が一定に保たれるため、投雪距離の変化が少なくなります。
  • 前後進速度調節レバーを”N”(中立)、後進時、除雪クラッチを「切」にしたとき、エンジン回転数が自動的に下がります。また、前後進速度調節レバーを「前進」にし、除雪クラッチを「入」にしたときは、エンジン回転数が自動的に復帰します。
  • 後進時にもエンジン回転数も自動的に下がります。

  • 後進時にオーガが自動的に上昇します(JXタイプ)

  • [HSS960i]

  • 除雪作業の負荷に応じて前進速度が自動的に調節され、オーガの浮き上がりを抑制します。負荷が大きいときもエンジン回転数の低下が抑えられるため、負荷に応じたエンジン回転数の調節が不要です。
  • 後進時にオーガが自動的に上昇します(JXタイプ)
  • i コントロール「入」

    [HSS1370i]

    除雪負荷が増大すると「設定されたエンジン回転/投雪距離」を保つために、走行速度を自動的に減速します。

    iコントロールボタン

    「入」…点灯

    除雪負荷が増大

    投雪距離を保つため

    《自動補正》

    走行速度を

    自動減速

    [HSS960i]

    除雪負荷が上昇すると、走行速度を自動で減速し、オーガの浮き上がりを低減します。

    iコントロール「切」

    除雪負荷が大きくなると、エンジン回転/投雪距離が低下してオーガの浮き上がりが増加します。
    エンジン回転/投雪距離を一定に保ち、オーガの浮き上がりを防ぐためには、除雪負荷を低減させるか、走行速度を減速させてください。

  • 自動調節は行いません。エンジン回転と走行速度は除雪作業の負荷に応じて 調節が必要です。
  • iコントロールボタン

    「切」…消灯

    除雪負荷が増大

    投雪距離を保つため

    《手動補正》

    走行速度を

    手動減速

    または、他の手法で除雪負荷を低減する

    走行クラッチレバー(デッドマンクラッチ機構)

    走行クラッチレバーを握ると走行し、放すと止まります。

    停止

    走行

    走行クラッチレバー

  • 「デッドマンクラッチ機構」とはレバーから手を放すとレバーが戻り、オーガや除雪機が自動的に停止する安全機構です。

  • 警告

    走行クラッチレバーを固定したまま除雪作業や運転を絶対に行わないでください。重大な事故につながるおそれがあります。

    除雪クラッチボタン

    オーガとブロワが回転および停止します。オーガとブロワが回転しているときは、表示灯(緑)が点灯します。

    「入」点灯

    「切」消灯

    除雪クラッチボタン(表示灯内蔵)

  • エンジンが運転しているときに除雪クラッチボタンを押すと、表示灯(緑)が点灯しオーガとブロワが回転します。除雪クラッチボタンを離すと、表示灯(緑)が消灯し数秒後にオーガとブロワが停止します。
  • 除雪クラッチボタンを押し続けると、約3秒後に保護機能が働き、オーガとブロワが停止します。
  • 走行クラッチレバーを握りながら除雪クラッチボタンを押したときや、除雪クラッチボタンを押しながら走行クラッチレバーを握ったときは、除雪クラッチボタンを離してもオーガとブロワが回転し続けます。走行クラッチレバーを離すか、除雪クラッチボタンを再度押すとオーガとブロワは停止します。
  • 除雪クラッチボタンを押してもオーガとブロワが回転しない場合や、表示灯(緑)が点灯しない場合は、お買いあげ販売店またはサービス指定店で点検を受けてください。
  • 旋回レバー

    本機の方向を変えるときに操作します。

    走行中に旋回したい方向のレバーを握ると、握った方向に本機は旋回します。また、前後進速度調節レバーの位置および旋回レバーの握り込み量により旋回径が変わります。

    右旋回・・・・・・・・・・右旋回レバーのみを握ります。

    左旋回・・・・・・・・・・左旋回レバーのみを握ります。

    左旋回

    右旋回

    左旋回レバー

    右旋回レバー

    前後進速度調節レバー


    警告

  • 旋回するときは、十分スピードを落としてください。雪の上での作業は滑りやすく転倒するおそれがあります。
  • 旋回レバーを操作するときは、周囲の安全を十分確認してください。
    旋回レバーの握り込み量によっては本機の方向が急激に変化します。ハンドルや操作パネルに体が触れないよう注意してください。思わぬ事故を引き起こすおそれがあります。
  • 路面の状況(アスファルト・雪・傾斜・凸凹等)により旋回径および運転感覚が変わる場合があります。
  • 投雪方向調節スイッチ

    投雪角度と方向を変えるときに操作します。

    エンジンスイッチを“ 運転” の位置にし、スイッチを操作することによって投雪口を上下、左右に無段階に調節することができます。

    投雪方向調節スイッチはエンジンが運転しているときに操作してください。エンジン停止中に操作するとバッテリーが消耗します。

  • 投雪口が固着した状態で投雪方向調節スイッチを操作し続けると、モーターの保護機能が働き、動かなくなることがあります。固着の原因となった凍結や異物を取除き、時間を空けてから再度操作してください。

  • 投雪方向調節スイッチ

    投雪口

    左回転

    下向

    上向

    右回転

    上向

    下向

    右回転

    左回転

    [JXタイプ]

    [Jタイプ]

    投雪方向調節スイッチ

    右回転

    左回転

    下向

    下向

    上向

    上向

    投雪口

    右回転

    左回転


    注意

    投雪方向や距離を変えるときには、人や建物などに注意して行ってください。

    オーガハウジング調節スイッチ(JXタイプ)

    オーガの高さを変えるときに調節してください。
    高さを上下無段階に調節することができます。(頁参照)

    取扱いのポイント

    オーガハウジング調節スイッチはエンジンが運転しているときに操作してください。エンジン停止中に操作するとバッテリーが消耗します。

    オーガハウジング調節スイッチ

    オーガハウジング調節レバー(Jタイプ)

    オーガハウジング調節レバーを押し下げながらハンドルを上下させることで、オーガの高さを調節できます。

    高さは無段階に調節することができます。(頁参照)

    オーガハウジング調節レバー

    固定

    調節

    ホイールピン

    エンジンやモーターの故障などで本機が動かなくなったときは、左右前輪のホイールピンを引き抜くと、クローラーが空転状態となり押したり、引いたりして移動することができます。(頁参照)

    ホイールピン

    引き抜く

    引き抜く

    割ピン


    ソリ、スクレーパー

    除雪する路面の状態に合わせて調節してください。ソリは除雪部と路面との高さを決め、スクレーパーは除雪面をならします。調節のしかたは、頁を参照してください。

    オーガ

    スクレーパー

    ソリ

    ハンドル高さ調節ボルト

    作業者に合わせて2段階にハンドルの高さを調節することができます。

    ハンドル高さの調節が必要な場合は、お買いあげ販売店またはサービス指定店にご連絡ください。

    ハンドルの高さ調節ボルト (左右両側)

    雪かき棒

    雪がオーガハウジング内や投雪口に詰まったときに使用します。

    雪かき棒を使用した後は汚れを拭き取り、きれいにしてから必ず元の位置にセットしてください。

    雪かき棒

    警告

  • オーガハウジング内および投雪口に詰まった雪を除去するときは、エンジンを停止し、誤ってエンジンが始動しないようにエンジンスイッチキーを抜き、各回転部が完全に止まってから、必ず備え付けの雪かき棒を使って雪を取除いてください。
  • エンジンが回っているときは絶対に手を入れないでください。大ケガをするおそれがあります。
  • 作業灯

    エンジンスイッチを“ 運転” の位置にすると点灯します。エンジンを始動させずに作業灯を点灯させ続けると、バッテリーが消耗して使用できなくなるおそれがあります。作業灯が点灯しない場合、故障のほかバッテリーに異常がある可能性がありますので、バッテリーの点検も実施してください。(頁参照)

    作業灯

    燃料計

    燃料の残量を示します。

    燃料計の針が“ 空” に近づいたら早目に燃料を補給してください。

    燃料計