BF300A・BF350A

船外機の保護装置

油圧警告装置とオーバーヒート警告装置

エンジンオイルの油圧が低下したり、エンジンがオーバーヒートすると警告装置が作動し、表示灯やブザーで知らせます。また油圧異常とオーバーヒート時には、エンジン回転が徐々に低下して不安定になり、エンジンの回転を上げることができなくなります。さらに、オーバーヒート時には約20 秒でエンジンが停止します。異常な状態が解消されると徐々にエンジン回転が上がるようになります。

油圧警告表示灯(赤色)

オーバーヒート警告表示灯(赤色)

ACG 警告装置とPGM-FI 警告装置

AC ジェネレーター(交流発電機)やPGM-FI(電子制御燃料噴射装置)に異常があると警告装置が作動し、表示灯やブザーで知らせます。

PGM-FI 警告表示灯(赤色)

ACG 警告表示灯(赤色)

ウォーターセパレーター 一体型燃料フィルター警告装置

エンジンカバー内にあるウォーターセパレーター 一体型燃料フィルター警告装置のカップの中に水がたまると警告装置が作動します。

  • ブザーで知らせます。
  • 警告装置、ブザーの作動一覧

    各警告表示灯とブザーの作動は下記のようになっています。

    装置

    事象

    油圧警告
    表示灯

    オーバーヒート警告表示灯

    ACG警告
    表示灯

    PGM-FI 警告
    表示灯

    ワーニング
    レベル※1

    パワーリダクション※2

    通常運転時

    消灯

    消灯

    消灯

    消灯

    ブザー警告音なし

    オイル油圧低下

    点灯

    消灯

    消灯

    消灯

    Warning level 1

    作動

    ブザー警告音あり(連続音)

    オーバーヒート

    消灯

    点灯

    消灯

    消灯

    Warning level 1

    作動

    ブザー警告音あり(連続音)

    ACG異常

    消灯

    消灯

    点灯

    消灯

    Warning level 2

    ブザー警告音あり(断続長音)

    PGM-FI異常

    消灯

    消灯

    消灯

    点灯

    Warning level 2

    ブザー警告音あり(断続長音)※3

    ウォーターセパレーター 一体型燃料フィルター
    水混入

    消灯

    消灯

    消灯

    消灯

    Warning level 2

    ブザー警告音あり(断続短音)

    重複して異常が発生した場合、各警告装置とブザーは同時に作動します。

    ※1

    特に注意が必要な異常のときはWarning Level 1 が、それ以外の異常のときはWarning Level 2 が表示されます。

    ※2

    詳しい説明はを参照してください。

    ※3

    PGM-FI異常によるブザー警告音(断続長音)には下記の二種類があります。

  • PGM-FI 警告表示灯が点灯してブザーが鳴り止まない場合: シフト操作不可()、アラート検出不可、始動不可につながる恐れがありますので航走を続けないですぐに帰港してください。
  • PGM-FI 警告表示灯が点灯して10秒間だけブザーが鳴った場合: エンジン回転数制御、機能制限がかかりますのでなるべく早く帰港してください。
  • 油圧警告表示灯が点灯したときは

  • すぐエンジンを停止し、エンジンオイルの量を確認してください。(
  • エンジンオイルの量が正常である場合は、エンジンを再始動し約30 秒間低速で運転します。再び警告装置が作動しなければ異常ではありません。
  • 30 秒間低速運転をしたあと、警告装置が作動しつづける場合は低速で帰港し、お買いあげ販売店またはサービス指定店に整備を依頼してください。
  • オーバーヒート警告表示灯が点灯したときは

  • ただちにコントロールレバーを“N”(中立)にし、検水口から、勢いよく冷却水が出ているか確認してください。(
  • 冷却水が正常に出ている場合は、約30 秒間アイドリングで運転してください。再び警告装置が作動しなければ異常ではありません。
  • 全速力で航走したあと急激にエンジン回転をおとすと、一時的にエンジンの温度が上がり警告装置が作動することがあります。また全速力で航走したあと、すぐにエンジンを停止し、再び始動するとエンジンの温度が上がり装置が作動することがあります。
  • 30 秒間アイドリングで運転しても、警告装置が作動し続ける場合はエンジンを停止し、吸水口に異物がつまっていないか確認してください。異物がつまっていない場合は低速で帰港し、お買いあげ販売店またはサービス指定店に整備を依頼してください。
  • 吸水口
    (左右両側)

    ACG 警告表示灯が点灯したときは

    バッテリーの接続を点検し、異常がなければ、お買いあげ販売店またはサービス指定店にご相談ください。

    PGM-FI 警告表示灯が点灯したときは

    PGM-FI 警告表示灯が点灯してブザーが鳴り止まない場合は、シフト操作不可()、アラート検出不可、始動不可につながるおそれがありますのですぐに低速で帰港し、お買いあげ販売店またはサービス指定店に整備を依頼してください。

    PGM-FI 警告表示灯が点灯してブザーが10秒間だけ鳴った場合は、エンジン回転数制御、機能制限がかかりますのでなるべく早く低速で帰港し、お買いあげ販売店またはサービス指定店にご相談ください。

    ウォーターセパレーター 一体型燃料フィルター警告ブザーが鳴ったときは

    水を取除いてください。(

    過回転防止装置(オーバーレブリミッター)

    航走中、エンジン回転が異常に上がりすぎた場合(急旋回した時や、トリム角/チルト角が不適切でプロペラが空転したときなど)に、過回転防止装置が作動します。この装置が作動するとエンジンの回転が不安定になり、防止装置設定回転数より回転が上がらなくなります。

    過回転防止装置が作動したときは

  • すぐにエンジンの回転を下げ、チルト角、トリム角を点検してください。
  • トリム角、チルト角が正常で過回転防止装置が作動する場合はエンジンを停止し、船外機の取付け状態と、プロペラに損傷がないか確認します。
  • 異常がある場合は正しく整備してください。

  • 船外機の取付け状態(
  • プロペラの交換(
  • 多基掛けについて

    多基掛けの場合、通常は全基を一緒に使って航走してください。
    (2 基掛けの場合、通常は2 基を一緒に使って航走してください。)

    一部の船外機のみで航走の場合、使用しない船外機(停止機)は次のようにしてください。

  • エンジン停止
  • ギア位置“N”(中立)
  • チルトアップ(プロペラを水面より高くする)
  • 取扱いのポイント

  • 停止機がチルトダウンしたままの状態では、停止機のプロペラが水抵抗で回転し、排気側から水が逆流する場合があります。
  • 「排気側から水の逆流」は故障の原因となります。

  • 停止機をチルトアップした場合、チルトロックレバーを絶対に使用しないでください。航走中にチルトロックレバーを使用すると本機が破損するおそれがあります。
  • パワーリダクション機能

    パワーリダクション機能とは、エンジンを保護するためにエンジン回転数を制限する機能です。航走中、船外機に問題が発生した場合(オイル油圧の低下やオーバーヒートなど)に作動します。

    2つのリモートコントロールセンサーのうち一つに異常が発生した場合は、パワーリダクション機能によるエンジン回転数の制限は行われません。

    バッテリースイッチOFF 通知機能

    船体側のバッテリースイッチの入れ忘れおよびエンジンスイッチ/パワースイッチの切り忘れを通知する機能です。以下の場合にバッテリースイッチがOFFになっていると、ブザーが短く3回鳴ります。

  • エンジンを始動するとき
  • パワートリム/チルトスイッチを押したとき
  • エンジンスイッチまたはパワースイッチが“ON”のままバッテリースイッチをOFFにしたとき