各部の取扱いをおぼえましょう
- コントロールレバー
前進、中立、後進の切換えとエンジン回転の調節を行います。
レバーを動かすときはニュートラルロックレバーをいっぱいに引き上げて操作します。(フラッシュ/サイドマウントリモートコントロールのみ)
デュアルトップマウントリモートコントロールをご使用の場合は、左右のコントロールレバーを同時に操作してください。F(前進) レバーを“F”(前進)位置まで動かすと前進ギヤに入ります。さらにレバーをF方向に動かすとエンジンの回転が上がり、ボートのスピードが速くなります。 N(中立) エンジンはアイドリング状態になりギヤが中立になります。 R(後進) レバーを“R”(後進)位置まで動かすと後進ギヤに入ります。さらにレバーをR方向に動かすとエンジンの回転が上がり、ボートのスピードが速くなります。 - 多機能リモコンパネル
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ファストアイドルモードとトローリングモードを使用するときに操作します。
ファストアイドルモード
コントロールレバーが“N”(中立)の位置のときに、[-]スイッチを長押しするとファストアイドルモードに切り替わります。このときに、コントロールレバーを“F”(前進)側に倒すことでエンジン回転のみの調整が行えます。
BF175D/BF200D/BF225D/BF250Dは、電子制御燃料噴射装置を備えているので、始動時はファストアイドルモードは必要ありません。外気温が5°C以下のときにファストアイドルモードをONにすると暖機を促進します。
- ファストアイドルモードは、コントロールレバーを“N”(中立)の位置にしないとONにすることができません。
- ファストアイドルモードを解除するときは、[-]スイッチを長押ししてください。
トローリングモード
アイドリング(全閉)航行中に[ + ]スイッチを長押しすることによりエンジン回転数の調整が行えます。
トローリングモード時に[ + ] スイッチを押すことでエンジン回転数が上昇し、[-]スイッチを押すことで下降します。エンジン回転数調整範囲: 650 rpm ~ 1,000 rpm(50 rpm 刻み)
- トローリングモードを解除するときは、[ + ]スイッチを長押ししてください。
- 多機能スイッチ
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ファストアイドルモード
コントロールレバーが“N”(中立)の位置のときに、[-]スイッチを長押しするとファストアイドルモードに切り替わります。
このときに、コントロールレバーを“F”(前進)側に倒すことでエンジン回転のみの調整が行えます。BF175D/BF200D/BF225D/BF250Dは、電子制御燃料噴射装置を備えているので、始動時はファストアイドルモードは必要ありません。外気温が5°C以下のときにファストアイドルモードをONにすると暖機を促進します。
- ファストアイドルモードは、コントロールレバーを“N”(中立)の位置にしないとONにすることができません。
- ファストアイドルモードを解除するときは、[-]スイッチを長押ししてください。
トローリングモード
巡航時に[ + ]スイッチを長押しすることによりエンジン回転数の調整が行えます。トローリングモード時に[ + ]スイッチを押すことでエンジン回転数が上昇し、[-]スイッチを押すことで下降します。
- トローリングモードを解除するときは、[ + ]スイッチを長押ししてください。
ワンレバーモード(多基掛けの場合)
すべてのコントロールレバーを“N”(中立)の位置にして[+]スイッチを長押しすると、1つのコントロールレバーですべての船外機の前進、中立、後進の切換えとエンジン回転の調整が行えます。
- ワンレバーモードを解除するときは、[ + ]スイッチを長押ししてください。
ステーションセレクト(リモートコントロールを2 箇所で使用する場合)
リモートコントロールを2箇所に取り付けた場合、操作するリモートコントロールを切り替えることができます。
切り替える際は、すべてのコントロールレバーを“N”(中立)の位置にして切り替えるリモートコントロールの[-]スイッチを長押しします。 - ファストアイドルレバー
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(メカモデル用サイドマウントリモートコントロール)
ファストアイドル位置にすると、エンジンの回転数が上がり暖機を促進します。BF200D/BF225D/BF250Dは、電子制御燃料噴射装置を備えているので、始動時はファストアイドルレバーの操作は必要ありません。外気温が5°C以下のときにファストアイドルレバーを操作すると暖機を促進します。
- ファストアイドルレバーはコントロールレバーを“N”(中立)の位置にしないと操作することができません。
- コントロールレバーは、ファストアイドルレバーが“START”(解除)の位置になっていないと操作できません。
- ファストアイドルボタン
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(メカモデル用フラッシュマウントリモートコントロール、メカモデル用シングル/デュアルトップマウントリモートコントロール)
コントロールレバーが“N”(中立)の位置である場合のみ、ファストアイドルボタンを押した状態でコントロールレバーを“F”(前進)側に倒すことによりエンジン回転のみの調整が行えます。BF200D/BF225D/BF250Dは、電子制御燃料噴射装置を備えているので、始動時はファストアイドルボタンの操作は必要ありません。外気温が5°C以下のときにファストアイドルボタンを操作すると暖機を促進します。
- ファストアイドルボタンは、コントロールレバーを“N”(中立)の位置にしないと操作することができません。
- デュアルトップマウントリモートコントロールを使用している場合は、ファストアイドルボタンを押してコントロールレバーを操作する作業を左右それぞれで行ってください。
- パワートリム/チルトスイッチ
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パワートリム
スイッチを押すことによって-4°から16°まで船外機のトリム角度を変化させることができます。スイッチはボートが航走中でも停止しているときでも操作することができます。このスイッチを使ってボートを最適な姿勢に保ってください。(トリム角度-4°から16°は、船外機取付け角度12°での数値です。)
デュアルトップマウントリモートコントロールを使用している場合は航走中、左右のパワートリム/チルトスイッチを同時に使用してください。航走中、2個のスイッチを片方ずつ使用しますと左右のバランスがとれなくなり、操縦が不安定になり転覆するおそれがあります。
パワーチルト
16°から68°まで船外機をチルトさせます。
浅瀬を航走するときや係留するときに使用してください。パワートリム/チルトスイッチの使いかた
(チルト角度16°から68°は、船外機取付け角度12°での数値です。)DBW モデル用:
(PTTスイッチパネル)
多基掛けの場合、リモートコントロールのパワートリム/チルトスイッチを使用して、すべての船外機のトリム/チルト角を同時に調整し、PTTスイッチパネルを使用して各船外機のトリム/チルト角を調整します。メカモデル用:
- パワーチルトスイッチ(船外機側)
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船外機の本体にもパワーチルトスイッチが装備されています。
ボートを車両で牽引するときや、船外機の点検・調整をするときに使用してください。
このスイッチは、パワースイッチまたはエンジンスイッチが停止になっていても作動します。 - マニュアルリリーフバルブ
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パワートリム/チルトスイッチが使用できなくなったとき、このバルブを開くと、手動で船外機の角度を変えることができます。
- メカモデル用トリムメーター(別売部品)
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船外機のトリム角度を表示します。
- メカモデル用回転計(別売部品)
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エンジンの回転数を表示します。単位は1,000回転です。
- インターフェースカプラー
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インターフェースケーブル(別売部品)をつなぐことで、NMEA2000ネットワークへ接続することができます。本機ではNMEA2000に準拠したエンジン回転数、燃料消費量、各種警告などのエンジン情報を出力することができます。
詳しくはお買いあげ販売店またはサービス指定店にお尋ねください。
- 定期点検時期通知機能
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本機はNMEA2000に準拠したエンジン情報として、運転時間の情報を定期点検時期に発信します。この信号は定期点検時期通知機能付きNMEA2000対応ディスプレイに表示され、定期点検時期を通知します。
定期点検実施後に運転時間をリセットすることで、機能が正しく継続されます。定期点検時期について:
定期点検時期には、「運転時間」と「期間」があり、どちらか一方の到達で定期点検の実施が必要です。従い、「運転時間」による通知の前に、「期間」により定期点検時期になることがあります。- 「運転時間」:定期点検時期通知機能がお知らせします。
- 「期間」:通知機能はありません。
「期間」により定期点検を実施した場合も、定期点検後は「定期点検時期通知機能」の運転時間をリセットしてください。
定期点検時期の通知時期
定期点検時期ディスプレイ表示の流れ
手順 1 2 3 4 船外機 ― パワースイッチまたはエンジンスイッチON エンジン始動 ギアFまたはR ディスプレイ スイッチON ― ― ― ディスプレイのメンテナンス表示 表示しない 表示する 表示する 表示しない NMEA2000対応ディスプレイについて:
- ディスプレイ表示は、ディスプレイ機器の説明書に従ってください。
- ディスプレイに通知設定の選択がある場合、「通知」などを選択する。
- 本機のパワースイッチまたはエンジンスイッチをONする前に、ディスプレイの電源を入れる。
- ディスプレイにより表示方法が異なります。
「定期点検時期」表示が出たら
- 帰港後、速やかに定期点検を実施してください。
-
定期点検終了後、運転時間をリセットしてください。
リセットしないと、次回「通知」されません。
「定期点検時期」表示が出る前に定期点検を実施した場合
定期点検後は「定期点検時期通知機能」の運転時間をリセットしてください。
リセットしないと、次回正しく「通知」されません。運転時間のリセット方法
表示灯無し仕様のコントロールパネルを使用している場合は、航行中は運転時間をリセットしないでください。
エンジン停止時に作業します。
DBW モデル
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パワースイッチまたはエンジンスイッチをONにする。(ブザーが2回鳴る)
1秒以上の間をあける。
- 船外機のシフト操作部でギヤ位置を“F”(前進)または“R”(後進)にする。
- パワースイッチまたはエンジンスイッチをOFFにする。
- パワースイッチまたはエンジンスイッチをONにする。(ブザーが2回鳴る)
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20秒以内に非常停止スイッチクリップを5回抜き差しする。
リセットされると、ブザーが1回鳴ります。
メカモデル
- 船外機のシフト操作部でギア位置を“F”(前進)または“R”(後進)にする。
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エンジンスイッチをONにし(ブザーが1回鳴る)、20秒以内に非常停止スイッチクリップを5回抜き差しする。
リセットされると、ブザーが1回鳴ります。
- パワースイッチ
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エンジンを運転、停止するときに操作します。
- コントロールレバーが“N”(中立)になっていないとエンジンを始動することができません。
- エンジンを非常停止・緊急停止した場合も、パワースイッチを“OFF”(停止)にしてください。エンジン停止状態でパワースイッチが“ON”(運転)の場合、バッテリーが消耗します。
- パワースイッチ“OFF”(停止)の位置で、パワースイッチキーが着脱できます。ボートを使用しないときは、キーを抜いてください。
- スタートストップスイッチ
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エンジンを始動するときに操作します。
- パワースイッチの電源がONのときにスタートストップスイッチを押すとエンジンが始動します。
- コントロールレバーが“N”(中立)の位置にあり、クリップが非常停止スイッチに取付けられていないとエンジンは始動しません。
多基掛け(2基掛け以上)で使用する場合:
(一括始動用スイッチ)
同時にすべてのエンジンを始動することができます。
(2基掛けまたは3基掛け個別始動用スイッチ)
各エンジンを個別に始動することができます。
対応するスイッチのインジケーターが点灯します。 - エンジンスイッチ
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エンジンを始動、運転、停止するときに操作します。
- コントロールレバーが“N”(中立)になっていないとエンジンを始動することができません。
- エンジンを非常停止・緊急停止した場合も、エンジンスイッチを“OFF”(停止)にしてください。エンジン停止状態でエンジンスイッチが“ON”(運転)の場合、バッテリーが消耗します。
- エンジンスイッチ“OFF”(停止)の位置で、エンジンスイッチキーが着脱できます。ボートを使用しないときは、キーを抜いてください。
メカモデル用サイドマウントリモートコントロール:
DBWモデル用エンジンスイッチ装備仕様、メカモデル用フラッシュマウントリモートコントロール、メカモデル用シングルトップ/デュアルトップマウントリモートコントロール(コントロールパネル側):
- 非常停止スイッチ/非常停止スイッチクリップ
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運転者が万一水中に落ちたり、操作位置から離れたとき、自動的にエンジンを停止させる装置です。
クリップが非常停止スイッチから引き抜かれると、エンジンは停止します。
運転中は、カールコードを運転者の身体の一部にしっかりと取付けておいてください。
エンジンを非常停止した場合、エンジンスイッチを“OFF”(停止)にしてください。
エンジン停止状態でエンジンスイッチが“ON”(運転)の場合、バッテリーが消耗します。- クリップが非常停止スイッチに取付けられていないとエンジンは始動しません。
- 非常停止スイッチクリップ(予備部品)があることを確認してください。
- クリップを紛失しないようご注意ください。
- カールコードが周囲の機器などに引っかからないようにしてください。カールコードの引っかかりによりクリップが外れ、急減速の可能性があります。急減速すると同乗者など転倒するおそれがあります。
- オイル循環表示灯
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メカモデル用サイドマウントリモートコントロール、コントロールパネル(インジケーター装備)
運転中、エンジンオイルが正常に循環しているときは緑色のランプが点灯します。エンジンオイルの量が少なかったり、油圧系統に異常があると消灯し、エンジンの回転が徐々に落ちます。
ディスプレイキット
エンジンオイルの量が少なかったり、油圧系統に異常があると赤いランプが点灯し、エンジンの回転が徐々に落ちます。
詳しい説明は船外機の保護装置を参照してください。 - オーバーヒート警告表示灯
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運転中、エンジンの冷却系統に異常があると赤いランプが点灯し、エンジンの回転が徐々に落ちます。
詳しい説明は船外機の保護装置を参照してください。 - ACG警告表示灯
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運転中、エンジンのACジェネレーター(交流発電機)本体および充電システムに異常があると赤いランプが点灯します。
詳しい説明は船外機の保護装置を参照してください。 - PGM-FI警告表示灯
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運転中、エンジンのPGM-FI(電子制御燃料噴射装置)に異常があると赤いランプが点灯します。
詳しい説明は船外機の保護装置を参照してください。 - ウォーターセパレーター 一体型燃料フィルター
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ウォーターセパレーター 一体型燃料フィルターのカップの中に水がたまると警告装置が作動し、ブザーで知らせます。
詳しい説明はウォーターセパレーター 一体型燃料フィルター警告装置を参照してください。 - 検水口
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エンジン始動後、冷却水がエンジン内部を循環していることを確認するところです。検水口から勢いよく水が出ていれば正常です。
- エンジンカバー固定レバー
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エンジンカバーを取外すときに操作します。
- 吸水口
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エンジンの冷却水を取入れるところです。
- アノードメタル(外部)
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アノードメタルは船外機を腐食から守る犠牲金属です。
取扱いのポイント
- アノードメタルの表面に塗装などをしないでください。犠牲金属としての効果がなくなり、船外機が錆びたり腐食する原因になります。
- アノードメタルが3分の1以上減ったら新品に交換してください。